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2009年12月10日

文芸特殊研究Ⅰ 10/12/09

後期第10回 成澤先生

―概要―
ゲスト:甲野 陽紀(コウノ ハルノリ)さん

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力づくで押しても人は動かない。

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奥の誰かを見て、そのまま進むと人が動く。

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腕をしっかり90度に曲げると強い力に耐えうる。

成澤:現代は情報に縛られていないか。特に視覚情報。視覚過多の状況はたえず理解と思考を要求する。
甲野:目は選択するだけのものでいい。体の動きを説明し、理解するのは脳。しかし、瞬時に動かすときは頭を使ってはいけない。
成澤:微視、巨視、粗視といういい方がある。このなかの粗視(粗く見る)という感覚に近いのではないか。
(実演)
・理屈を考えながら押される→動く
・抵抗しながら押される→動く
・足の温度を感じながら押される→動かない
・足の先の指先が何度で、かかとが……などとこまかく考える→動く
→脳を働かせすぎない、適度なパフォーマンスを保つことが体にとってのカギ。
★いい動き=実感がない→勝手に体が動いている。


―お知らせ―
・12月17日はしりあがり先生のレポート提出日です。
課題:今これをかくべきだ!という表紙。裏にプロットも
1、タイトル
2、あおり
3、扉絵(手書き、モノクロ、人に頼んでも可)
4、作者名(ペンネーム可)
裏に、
1、作品の狙い
2、メディア(どこに載せたいか、例:ジャンプなど)
3、プロット(あらすじ)を書く
用紙はB4一枚、紙質は問わない。
・12月17日に全員で投票。最優秀作者には先生からの特別プレゼントあり!!

-授業の感想-
今回の授業、とくにはじめに実演された、「遠くのものに向かって歩くようにすると、それまで動かせなかった目の前のものが動かせるようになる」の身体論は、そのまま人生論にも結び付けられるかもしれない。つまり、目の前の目標に意固地にならず、そのもう少し先を見据えれば物事はうまくいく、ということだ。大仰な言い方をすれば、些事に捉われることなく大局を見ろ、とも言える。目の前の不思議な光景を見ていると、そう諭されているような気持ちになった。
目をつむって相手の手を追う実演では、人間の原始的な感覚についても考えさせられた。いつだったか小学校の授業で、マスクをし、盲目状態で校庭を歩いたことがある。人間は視覚を奪われると他の感覚が驚くほど鋭敏になることを、身をもって知った。手触り、匂い、温度、それらをより精密に捉え、文章に反映させることができれば、私たちが日頃行っている創作を含む執筆活動において、この原始的な感覚は多いに有用なものになるだろう。

55A-074-0 文芸学科四年 桜田陽介


2009 12月10日 『今日の授業の感想について』

 身体のパフォーマンス(動作)と身体反応についての今日の講義は、最も芸術学部らしくない授業であった。だからこそ、非常に興味深く、楽しんで受講することができた。同じ動作でも、意識をどこに置くか、あるいは無意識の状態を作るかで身体反応は変わってくる。「スポーツ選手が試合中、良いパフォーマンスを発揮しているときは苦しい顔をしていない」「頭で理論化されない言葉が追い付かない、説明できない次元に良いパフォーマンスが生まれる」という言葉に共感した。サンバダンサーという肩書きを持つ私にとっても、体を動かし、最高のパフォーマンスを目指すといった過程で、アスリートに近い心理状態を経験したを得たことがある。次女で、おおざっぱな性格の私は、ステップをみっちり頭に叩き込むこと(理論学習法)よりも、なるべく本番や現場の経験を積み、その場の“気”を頂き、テンションを最高潮にまで高めて、一糸腐乱に踊ったほうが、ステップを思い出したり、カウントを取りながら踊るよりも、限界以上のエネルギーが出る。その時は、無心に近い状態で、足の痛みや疲れに気付かないくらいだ。全身の筋肉が躍動するので、顔は自然と笑顔全快になる。先生もおっしゃていたが、こんな時、“無意識の強さ”が発生しているのだろう。あるいは逆に、“意識すること”で身体の強度を増す、という事実も面白い実験で知ることが出来た。私自身の体験でも、背筋を限界まで伸ばし、腕や足の筋肉を伸ばすことを意識しながら日常生活を送っただけで、1日で筋肉痛になったことがある。これも、“意識をめぐらせること”により身体がより良く機能し、強度を得た例である。筋肉トレーニングなどしなくても、自己の身体を意識することによって、機能と強度を高められるのだと思った。一見、芸術の創作活動と運動は無関係そうだが、スポーツで言われている心・技・体の理論、“体を目覚めさせることによってスピリットを得、技術を獲得する”というプロセスは、創作活動にも応用できる方法論のように私には思えた。「デキる人ほど鍛えている」「忙しい人ほど走っている」という巷の噂に乗っかり、私もマラソンを始めようと密かなる野心を固めたきっかけとなった授業だった。

飯塚京子

投稿者 yamashita : 2009年12月10日 17:22

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